裁きの中でさえ安全

神の救済は唯一無二である


神に従ったノアという名前の人がいました。神は箱舟と呼ばれる巨大な舟を建造するように細かな指示をノアに与えました。そ れから神は、すべての種類の動物の雄と雌を、箱舟に入るよう送り込みました。ノアと家族が箱舟に入った後、神は箱舟の扉を閉じられました。それから神は40日間昼夜雨を降らせ、全地が洪水となり、地上の生き物はすべて滅びました。しかしノアと家族と動物たちは、箱舟の中で安全でした。ついに水が引いた時、箱舟は山の上にとどまり、動物たちは箱舟から外へ出ました。ノアと家族は、世の悪への神の裁きから免れました。それは罪がなかったからではなく、神を信じたからです。

– ザ・ホープ 4章

観察し、考える

ノアのできごとは、正に驚くべきことです。懐疑(かいぎ)論者は作り話だと言います。しかし世界のあらゆる地域の古代文明において、世界の洪水の話がたくさんあります。H.S.ベラミーは「月、神話、人間」の中で、500以上の洪水の伝説が世界中にあると推測します。1

聖書ではこのできごとは創世記6章から9章に記されています。何冊もの本がこの章に関して書かれていますが、今日の学びのために、三つの題目に焦点を合わせます。

  1. 神の裁き―聖い品性の結果

前の課で創世記6:6から、神が人類の罪を深く悲しまれたということを知りました。創世記6:7で、神が人間を地上から 「消し去」 る計画であることを読みました。先ず最初に、7節の人を消し去る神のご意思は、6節の神の悲しみによってもたらされたものだと思えるかもしれません。神は人に失望して、忍耐を失われたかのように見えるかもしれません。しかしそれが真実なのでしょうか。

私たち人間は、期待が外れると失望します。しかし時間と空間の次元を超えた神は、未来をご存知です。(6課の聖句を見てください。)神が期待されることは、起こることなのです。起こることは、神が期待されたことなのです。ですから神が失望するとはどのようなことでしょうか。

神が忍耐を失われるということはどうでしょう。聖書を学ぶと、裁きが直ちに行われないのは、神の驚くべき忍耐の故であることがわかります。(第二ペテロ3:9)裁きは神がお決めになる時に起こり、1秒前でも後でもありません。(使徒17:31)神の裁きは、悲しみや失望や忍耐をなくしたことによるのではありません。裁きに伴う神の品性は、聖さ以外の何物でもありません。

神は聖く、義で、正しいお方です。神は罪を犯さず、罪を見逃すこともおできになりません。もし神が罪を許容するなら、聖いお方ではなくなってしまいます。神は裁きをなさるか、そうでなければご自分の品性を曲げなければなりません。

  1. ノアの信仰―ノアを区別した一つのこと

18課で学んだように、アダムを通して世に蔓延した 罪は、生存するすべての人に広がりました。ノアも同じです。ですからもしノアの時代の人々が自分の罪のゆえに裁かれたのなら、(同様に罪に汚染されて いた)ノアはどうして助かったのでしょう。

20課で、ある日、人間をサタンと罪と死から自由にする救い主を送るという、神の約束について学びました。ノアがこの約束の意味を理解していたかどうかに係わらず、一つのことが真実であるように思えます。ノアは神を救い主として信頼していたことがわかります。彼の信頼は、服従によって明らかになりまし58た。同時代の人々からノアが区別された理由は、神への信仰だったのです。(ヘブル11:7)

  1. 神の備え―救われる唯一の道

アダムとエバが罪を犯した時、神が彼らのために被り物を備えられたことを思い出してください。同様に、世界を滅ぼす大洪水からノアの家族を守る箱舟のつくり方を教えることで、神はノアのために備えをされました。世界中で洪水を生き延びた者は他に誰も居ません。神の備えだけがノアと家族を救うことができたのです。それは救われるための唯一の方法でした。

聖書では、ペテロの第二の手紙が今日の世の罪深さをノアの時代と比べています。神がなぜ私たちの世界を裁くのを遅らせておられるのか、第二ペテロ3:9が告げています。それは神が、「あなたがたに対して滅びることを望まず、すべての人が悔い改めるようにと望んでおられるのです。」 「悔い改め」という言葉は文字通りには、もう一度考える、思いを変えるという意味です。2 神は人々に、もう一度自分の道を考え神に信頼する機会を与えたいと思っておられるので、私たちの世界をまだ裁いておられないのです。

神は忍耐深いお方ですが、それを当然のことと思ってしまってはなりません。神の裁きは即座であるかもしれないしそうでないかもしれませんが、必ずやって来ます。神の聖い品性がそれを要求するのです。「思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。」 (ガラテヤ6:7)

質問し、黙想する

ノアの系図を詳述する聖書箇所を学ぶなら、少なくとも70年間ノアは箱舟を作るために働いたと推定されます!3 洪水の前に雨が降り続いたという記録がないことも考えてください。神の歴史によれば、地の植物は「地から湧き出て」(創世記2:6)いた霧によって水を得ていました。そのことを思うと、ノアは、まだだれも見たことのない洪水を予期して、少なくとも70年間舟のために働いたのです。

 

  • ノアの時代の人々は、ノアの70年「箱舟計画」について何を考えたと想像しますか。
  • 時期を得て目標が達成されない時、ライバルに出会って失望することがありますか。
  • もしノアの立場にいたなら、何をしたと思いますか。
  • 第二ペテロ3:9に、あなたはどう反応しますか。

決心し、行動する

もし神が、あなたに何かするようにお求めになるなら、ノアを 見習ってください。信頼し、従ってください!生活のある部分を 「再考する」ように求められたら、後回しにしないで、直ぐに 従ってください。

Footnotes

1H. S. Bellamy cited in the article Flood Legends from Around the World, Northwest Creation Network. (http://www.nwcreation.net/noahlegends.html). Retrieved October 6, 2006.
2Blue Letter Bible. Vine’s Expository Dictionary of New Testament Words for Repent, Repentance.’ 1996–2002. (http://www.blueletterbible.org/cgi–bin/new_choice.pl?string=Repent%2C+Repentance&live_word=Repent%2C+Repentance&choice=VT0002364&Entry.x=51&Entry.y=13). Retrieved November 9, 2006.
3How Long Did It Take Noah to Build the Ark? (© Copyright 2002–2006 Got Questions Ministries). (http://www.gotquestions.org/Noahs-ark-questions.html). Retrieved October 6, 2006.

JA1955から取ら聖書の引用