ヨセフ―神の目的に明け渡す
ローマ人の生きた手本
序
あなたがたは、私に悪をたくらみましたが、神はそれを、善に変え、多くの人々を救うために、今日のようにしてくださったのです
– 創世記50:20
ヤコブには12人の息子がいましたが、その中にヤコブが最も愛するヨセフという名の息子がいました。ヨセフの兄弟たちは彼を深くねたみました。そこでヨセフを捕え、穴に投げこみました。その後エジプトに向かう隊商が穴の中のヨセフを発見し、エジプトの地で奴隷として売りました。兄弟はヨセフの衣を血に浸し、父にはヨセフが野獣に食べられてしまったと告げました。
ヨセフはエジプトに奴隷として連れて来られました。しかしその地で神は、ヨセフを力ある人々に仕える者となさいました。やがてヨセフは、全エジプトの支配者パロの前に召し出されました。ヨセフはパロの夢を解き明かすよう命じられました。神は間もなくやって来る大飢饉についての正しい解釈を、ヨセフに与えました。パロはヨセフの解釈を喜び、エジプトの地の権威者としたのです。
大飢饉が地上を襲った時、カナンの地に暮らすヨセフの家族は非常に苦しみました。一方のヨセフはエジプトの地で、飢饉に備え倉庫を食べ物で満たしていました。ヨセフは兄弟に裏切られましたが、依然として家族への深い愛がありました。神がヨセフに与えた高い地位ゆえに、家族全員がエジプトに来て住むことを許され、飢餓を逃がれました。こうして、全ての国の祝福の基になると約束された民族が、見知らぬ土地に来て住むことになったのです
– ザ・ホープ6章
観察し、考える
多くの聖書学者は、ヨセフの人生は、これからのザ・ホープの諸章で学ぶ神の約束された救い主を予測していると信じています。実際、ヨセフと約束の救い主との間の類似性は、実に驚くほどです。
ヨセフと約束の救い主の双方に以下のような共通点があることを考えてみてください。1
- ある日父はヨセフに兄弟の所に行くように言った。ヨセフの兄弟たちは彼を憎み、殺そうとした。同じく救い主の親族は彼を拒絶し、殺そうとした。(創世記37:13以降、ヨハネ7:3、ルカ22:47)
- 衣を奪われた。(創世記37:23-24、ヨハネ19:24)
- エジプトで時を過ごした。(創世記37:25-28、マタイ2:14-15)
- 奴隷として売られた。(創世記37:28、マタイ26:15)
- 鎖でつながれた。(詩篇105:18、創世記39:20、マタイ27:2)
- 誘惑された。(創世記39:7-10、マタイ4:1-11)
- 偽わって告発された。(創世記39:16-17、マタイ26:59)
- 他の二人の囚人と共に置かれ、そのうちの一人は救われ、もう一人は救われなかった。(創世記40:2-22、ルカ23:32-43)
- 30才で働き始めた。(創世記41:46、ルカ3:23)
- 苦しみの後に、神によって天に引き上げられた。(創世記41:41-43、ピリピ2:9-11)
- 自分を傷つけた者を赦した。(創世記45:1-15、ルカ23:34)
- 多くの人を救うために神によって遣わされた。(創世記45:7、マタイ1:21、マルコ10:45)
- 神は悪を善に変えることが出来ることを理解した。(創世記50:20、ローマ8:28)
ヨセフと約束の救い主の生涯を学ぶ時、もう一つの類似性がわかります。それは上記の類似性を明らかにさせるものです。ヨセフも約束の救い主も双方とも、自分以外の目的の為に命をかけました。彼らは自分の生涯が、より大きな計画の一部であることを理解していました。そしてその計画に協力したのです。ヨハネ6:38に約束された救い主の言葉が記録されています。「わたしが天から下って来たのは、自分のこころを行うためではなく、わたしを遣わした方のみこころを行うためです。」
ヨセフを通して、彼の人生の目的に向かって働く神的影響の証拠を見ることができます。大きな川に落ちた一枚の葉っぱのように、ヨセフの生涯は神という力強い川の流れによって動かされていました。自分の人生に起きたそれぞれのできごとにおいて(難しいものであっても)、ヨセフは流れに逆らうよりも、その流れに身を委ねました。神はあらかじめ計画しておられたことを正確に成就するために、ヨセフをお用いになりました。そしてヨセフ(と他の人々)に善をもたらし、ご自分には栄光をもたらされました。
質問し、黙想する
- ヨセフの生涯から、神について、また神との関係について何を学ぶことができますか。
- なぜ神は、ヨセフの生涯が約束の救い主の生涯と非常に多くの共通点があるようになさったと思いますか。
- 神はすべての人を目的をもって創造されます。(エペソ2:10)回顧することで、ヨセフの人生の目的を認識することは難しくありません。しかしヨセフ自身はどうだったでしょう。ヨセフは、自分の人生の目的や、起こっているできごとの意味をいつも理解していたと思いますか。
決心し、行動する
自分の人生や起こってくる事の目的を、あなたはまだわからないかもしれませんが、人生に目的を与えてくださるお方を知ることはできます。ヨセフのように、あらゆる境遇の中で神のみ旨に、身を委ねることができます。
ヨセフが神を知っていたように、神を知っていますか。ご臨在を確信しますか。もしそうでないなら、今すぐこのスタディ・ガイドの最後の「神を知る」のセクションに行ってください。
神はあなたの人生に、難しい状況をもたらされましたか。もしそうなら、ヨセフの例にならってください。神があなたの内であなたを通して働かれる機会としてみてください。あなたや周囲の人に善を、ご自分に栄光をもたらしてくださいます。なぜなら「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださる」からです。(ローマ8:28)
参照
- Barbara Rainey, No Cinderella Story. (FamilyLife.com Articles, 2006). (http://www.familylife.com/articles/topics/faith/essentials/growing-in-your-faith/no-cinderella-story#.Ug5IyY1wroY) Retrieved October 12, 2006. “I acknowledged at the very beginning my submission to God’s will for my life...In the aftermath of these two unexpected parts of God’s plan for my life...”
Footnotes
1Some of this listing was suggested by “Parallels between Joseph and Jesus,” Life Application Study Bible: New International Version. (Tyndale House Publishers, 1997).
JA1955から取ら聖書の引用